1.五感の環境デザインに関する実験研究・調査研究
人間には、視覚、聴覚、体性感覚など、いろいろな感覚が備わっていますが、人間をとりまく環境はそれらの個別の感覚に関係する要因がたくさん組み合わされています。寒暑の感覚,明るさ,うるささ,香りなどの環境要因は,様々な空間の条件と絡み合って,人間の心理に影響します。そこで,人間の感覚に影響する各種の複合環境条件を評価する被験者実験を行っています。「五感で感じる」という言葉はよく使われますが、当研究室では科学的・実証的に視覚、聴覚、温熱感覚などに関する実験研究を行っています。また,実験室実験だけではなく,このような知見と関連する暮らしの実態を主にアンケート調査とヒアリング調査によって,明らかにする研究も行っています。
2.地球環境時代のすまいとライフスタイルに関する研究
地球温暖化対策として、例えば、住宅の省エネルギー化を推進するために、建物の断熱性能、気密性能の向上が推進されています。しかし、一方で、日本の温暖な地域では、窓を開けて開放的に暮らす習慣が根強くあり,昔ながらの暮らしと最新の技術との間の矛盾も少なくありません。また,省エネルギーや省資源などの環境配慮行動を促進するなど意識・行動をよい方向に変容することも研究課題です。
このような情勢を踏まえて、めざすべき居住者の住まい方と住まいのあり方についての研究を行っています。
3.環境評価における個人差に関する研究
景観、建物の外観などの視覚環境、鳥のさえずりや川のせせらぎなどの環境音、あるいは温熱環境などを評価する場合、同一の環境に対しても人間の反応はまったく同一であることはありません。個人差が存在するという前提で、住環境を計画していくことが必要です。そのためにも、現実に存在する個人差の実態についての研究は重要です。1,2のテーマと密接に関連したサブテーマでもあり,これまでにも,回答者・被験者のグルーピングを,いろいろな方法で検討しています。